耳鳴りの時に服用する漢方薬は副作用がないの?
  1. 耳鳴りの漢方薬には本当に副作用はないの?

耳鳴り用の漢方薬には副作用はないの?

「耳鳴りの漢方薬に副作用がない」は間違い

「耳鳴りの漢方薬に副作用がない」は間違い

普段から漢方薬を飲み慣れていない場合、副作用が気になりますね。漢方薬は西洋薬と違い天然成分を使用しているため、副作用がないと思っている方も多いと思いますが、必ずしもまったくないということではありません。西洋薬に比べれば副作用は少ないですが、漢方薬が「証(体質や病状)」に合わなかったり、薬効が強すぎたりすれば効果が出ないだけでなく、副作用やアレルギー反応が出ることもあります。

大切なのは、自分の「証」に合った漢方薬を飲むこと。ただし複数の漢方薬を自分の判断で併用してはいけません。たとえ複数の症状が出ていたとしても、漢方薬は基本的に配合された1種類で治療するものです。自己判断で複数の漢方薬を併用すると気付かないうちに生薬の過剰摂取となり、その生薬の持つ副作用が出てしまうことがあります。

生薬によって副作用やアレルギーがある

生薬によって副作用やアレルギーがある

漢方薬は複数の生薬の組み合わせによって効果を最大限発揮できるようにし、毒性や不都合な作用は最小限に抑える工夫がされている薬です。そのため、どのような副作用が出るのかは生薬によって違います。

ただし、「この生薬が入っている漢方薬は、この副作用が出る」というものではありません。また前項でも書いたように、「証」が合わなければ効果が出ずに副作用が出ることがありますが、それはあくまでも「証」が合わなかっただけで、含まれる生薬が副作用やアレルギーを発生させているとは限りません。同じ生薬が使われていても、その組み合わせが違って「証」に合っていれば、副作用は出ずに効果が表れます。

「副作用を最小限にして、効果を最大値にする」。これこそが漢方薬の特徴なので、やみくもに副作用を怖がる必要はありません。

気になったら「生薬名」で調べてみましょう

ここでは使われることの多い生薬ごとに、どのような作用副作用があるのか、また効果のある症状を見てみましょう。

生薬名 読み方 作用 効果のある症状 副作用
麻黄 まおう 交感神経を興奮させる
気管支の拡張
発熱/頭痛/咳/喘息など 血圧上昇/動悸/発汗/食欲不振/吐き気
桂皮 けいひ 体を温めて新陳代謝を促進 食欲不振/胃炎/勤悸/生理痛など 発疹/かゆみ
甘草 かんぞう もろもろの急激な症状を緩和 胃痙攣/筋肉痛など 血圧上昇/むくみ/だるさ
大黄 だいおう 毒素を排出する 便秘/腹痛/月経不順/高血圧など 下痢/腹痛
石膏 せっこう 体内の熱を除去し、消炎する 発熱/炎症のあるむくみ・かゆみなど 胃もたれ/食欲不振/吐き気
附子 ぶし 体を温め、新陳代謝の機能を高める 下痢/神経痛/関節痛など 血圧上昇/動悸/発汗/のぼせ
地黄 じおう 血中の熱を除去し、血を補う 白内障/腰痛/糖尿病/倦怠感/不整脈など 胃もたれ/食欲不振/吐き気
人参 にんじん 体を温め、新陳代謝を促すことで胃の衰弱を改善する 口内炎/消化不良/下痢/軟便/発熱/悪寒など 発疹/かゆみ

このほか気になる場合には、漢方薬名ではなく生薬名を漢方薬局などで伝えて調べてみると良いかもしれません。

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