耳鳴りに漢方って本当に効くの?
  1. 耳鳴りに効果あり!知っておきたい漢方の基礎知識

耳鳴りに漢方が効くって本当?

漢方における「証」とは?

漢方について調べていくと、「証」という言葉がよく出てきます。これは個人のタイプ(体の分類)を意味する言葉。西洋医学とは違って、漢方医学では検査をすることがありません。具合の悪い箇所をピンポイントに診るのではなく、対象の体全体を診るからです。そこで、どこが不調なのか、その不調の原因はどこにあるのかを探るために、医師や薬剤師がとても細かく問診します。病人の声、顔色、問診に対する回答、さらに脈を測ったり腹部を触診したりして、最終的にその人のタイプ(=証)を決定するのです。証を決める判断基準(ものさし)は問診によって大きく「虚証」「実証」(あわせて“虚実”という)、「寒証」「熱証」(あわせて“寒熱”という)の4種類に分けられます。ここからさらに細分化されて、生活習慣病やアレルギーなどの慢性疾患は「気血水」、風邪や感染症などの急性疾患は「六病位」というものさしが使われます。

このように症状と問診によって証が決定すると、それにそって適切な漢方薬が出されます。そのため、同じ症状でも人によって処方される漢方薬が違うことがあります。

漢方における「証」とは?

出典:日本科学未来館

漢方薬はどこで手に入るの?

漢方薬は医薬品ですから、医師に処方してもらうか薬局で購入することになります。最近ではドラッグストアでも漢方薬を置いてありますが、一般の医師や薬剤師は西洋医学同様、効果効能に照らし合わせて「この症状にはこの漢方」と処方しているようです。せっかく漢方薬を飲んでみようと思ったのであれば、漢方薬局へ行きましょう。漢方薬局では前項で書いた問診の上で漢方を配合してもらえます。いわば薬のオーダーメイドですね。一つだけ残念なのは、こうしてオーダーメイドで配合してもらった漢方薬は保険が適用されないということ。病院で医師がマニュアルに沿って処方した漢方薬であれば適用されますが、漢方の知識のある医師や薬剤師が病人に合わせて漢方を配合したものを処方した場合は適用されません。既成の安価な漢方薬を選ぶか、オーダーメイドの効果の高い漢方薬を選ぶか、悩んでしまうこともあるかもしれませんね。

漢方薬が耳鳴りに効果抜群なワケ

漢方薬が耳鳴りに効果抜群なワケ

特定の病気の症状として現れているのでなければ、複数の原因が複雑に絡み合って起こることが多い耳鳴り。病院へ行っても「原因不明」と言われることが多いからこそ、漢方薬が効果抜群なのです。前項でも書いた通り、漢方は“耳鳴り”という端的な症状だけに注目するのではなく、体全体から証を決定し、内面から症状を改善してくれます。耳鳴りの場合は“気血水”(「気」はエネルギーや原動力、「血」は体に栄養を運ぶ血液、「水」は涙や胃液といった水分など)を整えていきます。ストレスであったり、食生活の乱れであったり、不眠症であったりといった複数の理由から起こる耳鳴りは、漢方薬でこそ根本的に解決できるのです。

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